こんにちは。はこせんです。
祝日の無い6月が終わりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ゴールデンウィークの後7月の海の日まで祝日が無いの、本当にバグだと思うんですけどどうでしょうか。
山の日を6月の第三月曜日辺りに持ってきて欲しいと思っています。
はい。では第二回、始めます。
今回紹介するのはこちらです。
アクティブ・ラーニング時代の教師像
です。
札幌市の中学校国語科教諭の堀裕嗣先生と
小学校教諭の金大竜(キム・テリョン)先生の往復書簡を一冊にまとめたものです。
堀先生と金先生というタイプの全く異なる二人の先生が教育について熱く語っているものです。
お二人のやり取りの中で、特に僕が感銘を受けた内容についてまとめたいと思います。
1.二つのタイプ
教師には二つのタイプがあるそうです。
①魁(さきがけ)タイプ
リーダーシップ重視。教師が先頭に立って学級経営。
②殿(しんがり)タイプ
フォロワーシップ重視。教師が後方で見守りながら学級経営。
まぁ、こう書いてあるとなんとなく「あ、俺は魁タイプだな」とか思っちゃいがちだと思いますし、「殿タイプにあこがれるな・・・」とかとも思うと思います。
さらに言うと、「これからの時代は殿タイプ!魁タイプより殿タイプを目指すべき!」なんて考えてしまうかもしれません。(なんせ僕がそうでした)
でも違うんですよね。
どちらのタイプも大切なんです。
ケースバイケースで、こどものタイプやその時々に合わせて二つのタイプを適切に効果的に使い分けることが大切なわけですね。
生徒を引っ張っていく時と生徒を後ろからサポートする時。どちらも学級経営において必要な教員の仕事だと思います。
高校現場でいえば、文化祭や体育祭なんかの生徒が主体となる行事では殿タイプでいることが理想的だと思います。
とはいえ、入学したての一年生の担任なのであれば、文化祭や体育祭でも最初は教員が引っ張っていくことも必要になるかと思います。
このように魁タイプと殿タイプはどちらも大切な資質能力なわけですね。
ですが、
「私は魁タイプだな・・・殿タイプと言ったって、なかなか上手くできないよなぁ・・・」
「自分は生徒を引っ張るよりも、サポートする方が向いているのかも・・・」
という人もいると思います。わかります。
自分には自分の教師としてのスタンスがあるかと思います。
そのスタンスを崩してまで、無理に別のタイプによって行く必要はないと思います。
つまり何が言いたいかって、餅は餅屋なんですよね。教師も。
生徒を引っ張るのが得意なら、引っ張っていけば良い。フォローは別の先生にお願いしたら良い。
支えるのが得意なら、支えたら良い。引っ張っていくのは別の先生にお願いしたら良い。
適材適所で、それぞれの先生の良いところを発揮することも大切なことなんですね。
2.授業に「問い」を
堀先生はこの本の中でこのようにおっしゃっています。
「おそらく大竜は授業のゴールを『わかること』『できること』に置いていると思います。(中略)しかし、僕はそれをゴールに設定していないのです。僕の設定するゴールは『人生を賭けて追及するに値するような〈問い〉をもつ』です。」
目から鱗でございました。
自分も普段の授業では
「生徒たちの読解力をどう伸ばすか」
「生徒たちに古文の現代語訳ができるようになって欲しい」
「どう説明したらわかりやすいのだろう」
ということを念頭に置いています。
「わかること」「できること」を授業のゴールに置いているわけです。
そんな僕にとってこの「問いをゴールに」という視点は非常に新しく、非常に面白いものでした。
生徒たちが「あれ、それってどういうことなんだろう」と授業の中で〈問い〉を持つこと。
そしてその問いを解決しようと生徒たちが自ら能動的に〈問い〉について考えること。
このことが授業に必要な視点だったと気づかされました。
生徒たちが「わかる」授業や「できる」ようになる授業が悪いというわけではありません。もちろん大切なことです。
ですが、それで終わりではないのです。
学校を卒業した生徒は、社会に出ます。
そこで必要な力は「自分で問を立ててその問を解決する力」です。
そう、文科省がおっしゃることですね。
課題発見能力と課題解決能力、どちらも必要不可欠な力なわけです。
アクティブラーニング時代の学校教育においては、そのどちらの力も育まなければいけません。
そのことに気づかせてくれたのがこの本です。
はい。教師の方にとってとてもおすすめなこの一冊。
ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。